■発祥、産地
茶の発祥地は中国だと言われています。
今日の漢方薬の基礎を築いたといわれる伝説の帝王神農が、野草や樹木を実際に口に入れて薬として役立つかをテストしていたとき、一日に72回もの毒に当たり、その度にお茶の葉を用いて解毒したと言われている。(『神農本草経』より)また、唐の時代(659年)に書かれた『新修本草』には、薬としてのお茶の記録が残っています。
お茶が嗜好品として飲まれるようになったのは宋の時代(960~1279)以降からです。日本に伝わり、日本の茶祖・栄西禅師が『喫茶養生記』(1214年)で「茶は養生の仙薬なり、延齢の妙術なり」と茶の効能を説いています。日本で一般庶民に広まったのは得踊次代以降です。
■お茶と健康
人間はいろいろな物を食べて生きています。何千何万の食物をしいて分類すれば、5種類、1.辛 2.甘 3.苦 4.渋 5.酸、漢語的表現は「酸甜苦渋辛」
日本、台湾とも同じですが、その中で栄養分として分類すると3種類です。1。蛋白質 2.脂肪質 3.糖分
全て地球上で、自然、野生、天然であるものは食べるようにするのです。
これらの物の効用をまとめてみると、1.利尿となるもの 2.補養、栄養(もちろん蛋白質と脂肪と糖だけです。)3.自然殺菌作用のもの 4.発汗されるもの(感冒に効く)5.気の流れをよくするもの(胃腸障害によく効く)6.血の流れをよくするもの(血管拡張、血管収縮となるもの)
全世界、東西問わず、食べ物で生きていくのです。特に西洋人は、乳製品、チーズ、バターを中心としているが、東洋人は平均的バランス良く調養している。長く生きると、東洋、西洋人種の形も分かれていくのです。西洋人の食生活は、こってりとしたものが多いので、強い利尿剤のコーヒーを主に常に三度はのんでいるが、東洋人種の食べ物はバランスよくとっている動植物なので、常に三度軽利尿作用の茶を飲む習慣となっている。東西問わず利尿作用の物を食事のたびに飲んでいるのです。だから、人間が食事の時欠かさない物、お茶、コーヒーなどの利尿作用を利用し消化しやすくしているのです。利尿作用があれば、五臓六腑もうまく営み消化するのです。もちろん、人間の知恵でもっと薬用効果のあるお茶屋コーヒーが作られていますが、これで、徐々にお茶を飲む習慣と健康につながっていき、五臓六腑の健康運航もよくなるのです。東洋人種のお茶を見ると、利尿効果のために飲まれているが、もっと発酵させ100年も熟成すると、このお茶はもう薬なみの効果です。
■普洱茶
普洱茶は、最も古い形の中国茶のひとつで、唐の時代(617~907)にすでに記帳がある。普洱茶という名称は、中国南西部、雲南省の普洱(プーアール)の街に由来する。当時、普洱は、茶取引の中心地となっており、ここで取引される茶は種類を問わずプーアール茶と呼ばれた。その時代、茶の輸送は主に馬によって行われていたので、それに適した荷造りし、長時間の輸送に耐えるように処理する必要があった。そこで普洱の業者は、時間がたっても劣化せず、逆に質が向上するような特殊な処理法を考案。茶葉を圧縮して茶餅と呼ばれる形にし、時間と共にゆっくりと発酵するようにした。発酵に必要な時間は、10年から50年とされており、最高の普洱茶を作るには、最低でも30年の熟成が必要。
■生産者の茶葉
◎産地の特定
お茶栽培から製茶まで、三敬(敬天・敬地・敬人)要素が大事です。
茶葉が有する香り、味、色などの特色は、その茶葉が育った自然環境に由来します。
ですから、そのお茶がそのお茶である為には、原料の茶葉はしかるべき地域で育っていなければなりません。

◎茶の品質、性質の良い時期、摘み取りの季節
一年で最も高い品質のお茶ができる時期は、茶類によって異なります。
例えば緑茶であれば芽が萌え出したばかりの初春、烏龍(青)茶は少し成長して若い葉になる晩秋です。

■烏龍茶生産過程
1.日光に当てて発酵
太陽の熱を利用してお茶の水分の蒸発を促す。
茶の細胞内の成分が発酵によって水素化する。
この現象により発酵が進む。

2.屋内での発酵と攪拌
新鮮な茶葉を竹の皿に広げてかき混ぜこすり、水分を抜くことで部分的発酵が進み、化学変化が起きる。
これにより烏龍茶ならではの香りと味わいになる。

3.加熱
高温の熱で酵素を破壊し、発酵を止めると、香りや味などお茶の品質が安定する。加熱時に葉の水分が失われ、柔らかさや硬さなど葉の質が確定する。

4.もみほぐす
機械で揉んで茶葉の組織を破壊する。
揉むことで硬くなり船で運ぶのが簡単になる。

5.乾燥
練った葉の塊を乾燥機に入れて茶葉の表面を乾燥させる。

6.熱して揉む
こすったりひねったり押したりして茶葉の組織を破壊する。
茶葉は次第に硬くしまり、球状に成形されていく。

7.乾燥
高温と熱風で茶葉を乾燥させて発酵を止める。
お茶が発酵し続けるのを防ぎ品質を固定する。

8.枝の除去
茶葉に混じった細かい枝を取り除くことで茶葉の品質が高まる。

9.最終乾燥・焙煎
焙煎の熱を利用してお茶の品質をさらに向上させる。

10.お茶は梱包されて市場に送られる。

◎安心と安全のために
品質を見極める技量を養い磨いてきました。私たちはこの知識と技量こそが、安全を確保し良質なお茶を提供する基本と考えています。
■評価方法
1.お茶の淹れ方
お茶には多くの種類があるので、それらのお茶のサンプルが一定の条件になるようにする必要がある。
お茶の量、お湯の量、温度、茶葉を浸す時間を同じにする。
茶葉の量:3g
お湯の量:ティーカップの容量150cc
温度:沸騰したお湯100℃
茶葉を浸す時間:6分
カップに茶葉3gを入れ、沸騰した100℃のお湯を注ぎ、ふたをして6分蒸らす。
お茶の質を判断するためにボウルにそそぐが、香りの判断のため茶葉のカスはカップに残したままにする。

2.お茶の評価基準
お茶の品質は、外観(茶葉の形状と色)、お茶の性質(色、香り、味)と淹れたての茶葉、お茶のしゅるいにより評価基準が異なる。
外観(20%)
茶葉を注意深く観察し、茶葉の色、形などを評価する。
お茶の色(10%)
お茶の色や透明度(色が輝いて透き通っているかなど)を評価する。
香り(10%)
お茶の種類により異なる特徴的な香りを評価する。香りの強さや、焦げたような臭いおるいは黴臭くないかなど。
味(10%)
お茶の甘さ・苦み・渋みなどを評価する。

3.お茶の審査方法
茶葉にお湯を注ぐ前にまず審査員は外観を調べる。お湯を注いだ後、あまずお茶の香りを評価する。
香りの強さや、茶の種類により花のような匂いがするか、焦げたような臭いがしないかどうか。
次にお茶の色・濃度・明るさ・透明度を確認する。
お茶を40℃~10℃ほど口に含んで甘さ・苦み・刺激性などの味を評価する。
最後に、残った茶葉の色、柔らかさ、酸化の程度などを評価する。

■台湾十大茶
1.凍頂烏龍茶
種類:凍頂烏龍茶、文山包種茶、東方義人、阿里山、金萱茶、、梨山、杉林溪、大禹嶺、密香紅茶、有機密香
品種:烏龍茶
カテキンの発酵程度:20%~30%
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造過程: 48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る
外観:乾燥した葉はきちんとしていて均一で、半球型で、赤みがかかった濃い緑色で金の光沢がある。
お茶の色:赤、オレンジ、琥珀の色を混ぜ合わせたような輝く金色
香り:新鮮でいい香り。茶葉が浮いているが脂っこくない。
味:まろやかでなめらか。独特のにおいもなく、酸味や苦みもなく飲みやすい。少し甘くてさっぱりとした飲み口
茶底:しなやかで新鮮、緑色でやわらかい

2.凍頂貴妃茶
種類:凍頂貴妃茶
品種:烏龍茶 台茶12
カテキン発酵の程度:40%~50%
収穫の時期:夏・秋
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→加熱殺菌→濡らし軟化させる→揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る
外観:半球型の葉は均一で光沢があり金色と赤のエッジがあります。
茶の色:オレンジイエローの琥珀色。明るく澄んでいる。
香り:はちみつや果実のような甘い匂い。飲んだ後も香る
味:甘くまろやかで喉ごしもなめらか
葉底:新鮮で柔らかく、葉は黄色、赤、茶色がまざりあっています。

3.四季春
種類:四季春
品種由来:台湾の混合茶。1981年にムザの農民によって発見される。冬も冬眠しないため1年中栽培でき、大量栽培されている。葉の形は楕円形で、付け根は鈍く先端は細い。
カテキン発酵の程度:発酵の度合いは様々だが、部分的(軽または中)の傘下に適している。
製造に適した茶:包種茶
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る
外観:生産される茶の種類により異なる
お茶の色:酸化の度合いに応じて変わる。軽く酸化すると緑がかった色または黄色がかった色になる。中程度だと金色になる。
香り:花のブーケのような香り
味:くっきりしていてキレがある。
葉底:包種茶や烏龍茶のようなもの

4.台茶十二號(金萱)
種別:台茶12
品種由来:70年に登録される。別名jinxuan 台茶no.8とYingchih Hungshihのかけあわせ。葉の形は楕円形
発酵の程度:半発酵茶に最適
製造に適した茶:包種茶、貴妃茶、烏龍茶
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る(半発酵、一定の日で焙らない)
外観:生産される茶の種類により異なる
茶の色:発酵の度合いにより変わる。軽いとハニーグリーンからハニーイエローに。中くらいだと黄色がかった金。重めだとだいだい色
香り:繊細なバターのような香り。炒ったあとはフルーティーな味と香りが強くなる。
味:マイルドで甘い味。後味はバターのよう。
葉底:包種茶や烏龍茶のよう

5.台茶十三號(翠玉)
種別:台茶no.13
品種由来:70年に登録される。別名Tzuiyu Yingchih Hungshihと台茶no.80のかけあわせ。葉は幅広で葉脈の間に波はない。
発酵の程度:様々であるが、半発酵くらいが適している。
製造に適した茶:包種茶、烏龍茶
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る(半発酵、一定の日で焙らない)
外観:生産される茶の種類により異なる
茶の色:発酵の程度により異なる。中程度:ハニーゴールド、十程度:だいだい色
香り:繊細でオスマンサス(金木犀)の花の香りに似ている。焙るとフルーティーな香りになる。
味:繊細で甘い
葉底:包種茶や烏龍茶のよう

6.日月紅茶
種別:紅茶
品種:葉が大きめ。台茶7,8,18など
発酵の程度:95~99%ほど
収穫の時期:夏と秋が最良。春、冬がそれに続く
製造工程:24時間ほど時間をかける。
日光に当てて発酵→ふるいにかける→発酵させる→乾燥させる(火で焙らない)
外観:先がとがっていて細く、ロープでしっかりと巻かれている。
茶の色:淹れたての熱いときは透明で赤っぽい。冷めると明るい茶色かオレンジ色に変化する。
これは高級茶では普通のことであり、風味も強い。
味:刺激的で渋く強い味わい。高級茶は後味も味わい深い。
葉底:機械で切られたものはきちんとカットされていて塊は大きいものと小さいものが混ざっている。そうでないものは切り口は不均一。

7.三挟碧螺春
種類:緑茶(三挟、海山碧螺春)
品種:Qingxin Ganzaiなど
発酵の程度:0~5%ほど
収穫の時期:葉rすー冬ー秋ー夏
製造工程:発酵はさせない。すぐに乾燥させる(火で焙らない)
外観:濃い緑色
茶の色:黄色がかった翠。透明で透き通っている。
香り:獲れたての野菜のような新鮮なにおい
味:新鮮でのどごしがよい
葉底:明るい緑

8.Baihao 烏龍茶
種別:baihao
品種:Qingxin Dapan
発酵の程度:50%~60%
収穫の時期:夏、春
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る(半発酵、強めに火で焙る)
外観:自然に湾曲し、やや短い
お茶の色:透明で明るい赤みがかったオレンジ
香り:フルーティーなはちみつのような香り
味:なめらかで甘い味わい。高級茶は食欲をそそる効果がある
葉底:薄茶色

9.Muzha Tieguanyin
種別:Tieguanyn
品種:Muzha
発酵の程度:40~50%
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造工程:48時間以上かける。
日光に当てて発酵→室内で発酵→室内で発酵→加熱殺菌→揉み捏ねる→乾かす→再び揉み捏ねる→再び乾かす→精製→火で焙る(半発酵、よく火で焙る)
外観:明るい色でしっかりとカールしている。
お茶の色:明るく澄んだ赤みがかったオレンジ色
香り:ややフルーティーで焙られた香り
味:コクのある甘酸っぱい味わい。高級茶は後味が心地よい。
葉底:葉は緑色。茎と葉がからみあっている。

10.文山包種茶
種別:包種茶
品種:Qingzin Dapan Qingxin 烏龍茶など
発酵の程度:10~20%
収穫の時期:春ー冬ー秋ー夏
製造工程:24時間ほど時間をかける。
日光に当てて発酵→ふるいにかける→発酵させる→乾燥させる(火で焙らない)
外観:自然に湾曲していて長い。灰色がかった緑
お茶の色:明るくクリアな薄緑色
香り:繊細な花の香り
味:なめらかでコクがある甘い味わい
葉底:緑色で茎と葉がからみあっている
