日本台湾茶芸文化研究の
論文からの抜粋文

茶芸改良の三つの要綱

所謂老人茶から目下の茶芸は台湾独特な郷土文化の一つと言えよう。

台湾語、郷土文学、料理、風俗習慣等がそれぞれの特色を持っているのと同様に、これらの独特な文化のルーツは那辺にあるのでしょうか。

言うまでもなく、中国文化から来たのです。

しかし、大陸性の中国文化は麗しき島ー台湾に伝来してから断えず変貌してきた。

斯かる例は日・韓文化からも伺えることができる。

中国から伝来した同じような文化の受け入れは、現地の異なった民族、地理、気候、環境の影響の下で、伝来文化に対する接し方は様々である。

事実上、日韓両国は伝来の中国文化を受け入れた後、雑物を捨て、精髄を取るように改良をかさね、民族独自の文化として変えさせた。

四百年の歴史を持つ台湾民族は既に目覚め始め、政治、経済、文化、環境を重視し、更に、独立して台湾を救う議論を盛んに論じ、同時に、段々と独自の新しい文化を求め、創造しており、したがって、如何に台湾独自の文化を創造することは、台湾民族が今後努力すべき課題である。

来日して十年余り、研究の関係上、しばしば日本の多くの伝統文化、例えば茶道、写経、座禅等に接触し、その中で、最も感動的なのは日本の茶道である。

茶室に入り、あの古風みやびやかさ、清潔、礼儀、及び主客と茶具の一体性、並び虔虚な態度の物・我解け合いの境地は、まさに人文精神の高度の修養を表現している。

日本国民は茶道を通じて修得した礼儀を社会的人間関係に適用しており、したがって、茶道文化は知らず知らず中に、日本民族の各階層の生活習慣と礼儀と深く影響している。

一方台湾の茶芸は日本よりだいぶ遅れている。

お茶を飲むのは台湾民族の文化の一つではあるけれど、しかし、単にお茶を飲んで渇きをいやすだけでは、文化のレベルを高めることができない。

目下台湾の一般的茶芸に使われている茶具は、銅製、ステンレス製、ガラス製が混交しており、衛生の面でも良くなく、お茶を立てるにも儀式がなく、行進の順序もない欠点があるので、飲んでも味がない。
このため、数年前から、台湾茶芸の改良工作を着手し始めた。先ず、日本と台湾のこの方面の資料を収集し、自分で実地体験を進み、両者の茶飲みの風俗を丹念に観察し、長所を取って短所を補い、台湾茶芸の改善のための三つの要綱を立てた。
即ち、(1)茶具の古典化、(2)衛生上の清潔、(3)茶のみの礼儀作法である。

茶器の扱いの心得

器移三忌(器物を移すとき、3つの避けて慎まなければならないこと。)

音 → 缺 → 破

音が出ると次は欠ける、そのあとは破る

音 → 缺 → 破 しないように

音 →(静)缺 → (無)破 ー(守)

音は(静かにして)欠缺は(無で)破は(守る)

四寧四毋(しねいしぶ)

◎寧緩勿急 /緩ではあっても急となってはならず

◎寧軟勿硬 /軟ではあっても硬となってはならない

◎寧寂勿音 /寂ではあっても音となってはならず

◎寧順勿逆 /順ではあっても逆してはならない


 未熟な見解を述べて、優れた議論を引き出す心境で、図表を用いて、一つ一つ解説し、全世界でご活躍する台湾同郷が自分の文化を大事にし、いっそう光彩を放出させ、わが台湾民族の自尊心を恢復することを期待する。